仏教

《飲酒の害》についてのブッダダルマの私的まとめ

仏教には「不飲酒戒」という戒律があり、仏道修行者の飲酒は戒められています。

また、西暦3〜4世紀頃の仏教の高僧の法話では、飲酒自体が本質的に悪というわけではないが、飲酒はさまざまな善を妨げ、さまざまな罪の原因となる、つまりは悪の門を開くものであると説かれています。

この記事では仏典において説き示された飲酒の害についてまとめてみたいと思います。

 

 

長阿含経の「善生経」で説かれた飲酒の害

 

《漢訳経典》

1、財産を失う

2、病気を生じる

3、争いを引き起こす

4、悪い評判が立つ

5、怒って暴れる

6、智慧が減っていく

 

《パーリ語経典》

1、財産を失う

2、争いを増やす

3、病気の原因となる

4、不名誉が生じる

5、陰部を露出する

6、智慧を弱める



「四分律」で説かれた飲酒の害

 

1、顔色が悪くなる

2、力が減退する

3、視力が暗くなる

4、怒り散らす

5、仕事に支障を生じる

6、病気を増やす

7、争いを引き起こす

8、良い評判はなくなり、悪い評判が立つ

9、智慧が減少する

10、死後に地獄・餓鬼・畜生に生まれる

 

「大智度論」で説かれた飲酒の害

 

1、財産を浪費して枯渇する(節度も自制心もなくなり浪費に歯止めがかからなくなるから)

2、万病のもととなる

3、口論、いさかい、争い、暴力のもととなる

4、裸をあらわにして恥じることがない

5、醜い人物として名を広め、悪評が立ち、尊敬されない

6、智慧の働きを覆って無くしてしまう

7、酔わなければ得れたものが得られず、得たものも失ってしまう

8、秘密や内緒のことを悉く他人に話してしまう

9、様々な事業を廃して成功できない

10、酔っているときは失敗することが多いので、醒めてから恥じ入って憂鬱になる

11、身体の力がとても弱くなる

12、外見がだらしなくなる

13、父親を敬わない

14、母親を敬わない

15、出家修行者を敬わない

16、バラモン(聖職者)を敬わない

17、年長者を敬わない(酔って正気をなくし酒に溺れて、ひとやものを分別することができないから)

18、ブッダ(仏)を敬わない

19、ダルマ(法)を敬わない

20、サンガ(僧)を敬わない

21、悪人と仲間になり徒党を組む

22、賢くて善い人を疎んじ遠ざける

23、守るべき戒めを破る人になる

24、悪事を犯しても恥じないし反省しない

25、喜・怒・哀・楽・愛・悪の感情を適切に表現できない

26、色欲をほしいままにしてやりたい放題になる

27、他人に憎み嫌われ、その姿を見ることを喜ばれない

28、親族や知人からも見捨てられる

29、基本的に悪いことを行うようになる

30、善い行動に従うことを捨ててしまう

31、道理を知る賢い人が信用しない人となる(酒に酔うとやりたい放題になるから)

32、悟りの境地から離れ遠ざかる

33、狂人や愚者になる原因をつくる

34、身を持ち崩し、死後も悪名の泥の中に堕ちる

35、来世に人として生まれても狂気と愚かさを免れない

 

 

以上がブッダダルマにおける《飲酒の害》の私的まとめです。