仏教

シャンティデーヴァ「入菩薩行論」抜粋 ー第3章 菩提心の理解ー

シャンティデーヴァ「入菩薩行論」は、大乗菩薩の修道について説かれている論書です。

この記事では、そこから任意に抜粋した言葉を記載しています。

引用元の書籍は「入菩薩行論」の日本語訳である「菩薩を生きる」です。

 

悟りを得るもととなる、

積み重ねられた善行に歓喜し、

生きとし生けるものが勝ち取る、

輪廻の苦しみからの自由を祝福する。(2)

 


 

あらゆる衆生に幸せを与えんとする、

発心という海のように大きな善、

衆生に利益をもたらすあらゆる行動。

このようなものに、大きな喜びを見出す。(4)

 


 

私は手を合わせ、

あらゆるところに住む仏陀に祈る。

どうか苦悩の闇に迷い、手探りしている者たちのために

仏法(ダルマ)の明かりを灯してください。(5)

 


 

世の中の病む人すべての、

病が癒えるまで、

私自身がその人々の

医者となり、看護師となり、薬となりたい。(8)

 


 

貧しく生活に苦しむ者たちの、

尽きせぬ宝となり、

彼らの手が届くところで、

必要なものすべてを与えたい。(10)

 


 

私の身体も財産も、

これまでに積んだ徳も、これから積む徳も、

費やした努力や時間は忘れ、

衆生に利益をもたらさんと、ことごとく与える。(11)

 


 

涅槃に入るには、すべてを与えねばならず、

涅槃に入るために、私は努力する。

すべてのものは、一度に手放さねばならず、

よって、すべてを他者に与えるのが最善。(12)

 


 

私に対して、

衆生が怒りや尊敬を感じるのなら、

それが常に、

彼らが善や願いを達成するもととならんことを。(16)

 


 

私を面と向かって侮辱したり、

害を加えたりする者すべてが、

私を非難し、中傷したとしても、

悟りたいという幸運に恵まれんことを。(17)

 


 

私は、よるべない者の庇護者に、

道行く者の案内人になりたい。

水を渡りたいと願う人々の、

小舟に、筏に、橋になりたい。(18)

 


 

(菩提心は)どんな病も必ず治す、

最高の薬であり、

生の道をさまよい疲れた人が、

憩う木である。(30)

 


 

 

 

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